小田切です。
以下に10月11日(木)のミーティング内容をまとめます。
フランクな雰囲気のミーティングだったのでまとめるのはなかなかに難しいですが、とにかくやります。参加者で見解の相違など、指摘したい点がある方は書き込んでください。
尚、この内容は宋さん、洪さんにより韓国語訳され、韓国グループに送られる予定です。
1. 前回の反省点について
まずバンカート側からも指摘された点ですが、運営の杜撰さが目立ちました。
韓国グループの到着にばらつきがあり、しかも夜中になったりしたためにバンカートの職員をかなり不当に働かせてしまう結果となりました。
また、会場にて日本語も英語すら話せない韓国人グループのアーティストを受付に座らせる、などの問題があり、これも厳しく注意を受けました。スタッフの遅刻も何度か見受けられました。小さな点のように思えますが、お金を取るショーにおいては絶対に起こってはいけないことでした。全体として馴れ合いの雰囲気があったことは否めません。
次に宣伝、プロモーションの不足があります。
時間が圧倒的になかったことにそもそもの原因があり、そこに運営の弱さを認めることが出来ますが、より積極的なメディアへのアプローチは要求されたところです。
隣の「都市との対話展」とはたしかに違った色合いの展示でしたが、キュレイターである橋本さんはかなりのメディアにタイアップを含むアプローチをしていたようです。それでも来場者集めには苦戦を強いられていたようです。
キュレーターの必要性も大きな問題点です。
企画の方向性はあったものの、それを展示全体として力のあるコンテンツにするためには作品を展示する作家ではない舵取りの客観的視点が必要であったように思います。空間演出も事前に作品がどういったものになるのかを各作家から情報収集し、より綿密に立てていくことが求められていたと思います。
バンカートの代表池田氏も「仲間内でもいいからキュレーターを立てるべきだ」とアドバイスをくれました。
韓国側のグループが大学別に分かれすぎていた、という指摘もあります。
グループワークはそれぞれ魅力がありましたが、展示の構図が大学別になっているのは「日韓」という全体のテーマから外れている気がします。物理的に難しいという点はあったと思いますが、今後に繋げるためには是非反省したい点であると考えます
歴史問題などのよりデリケートな問題を扱える土壌をつくる、ということも大切です。
シンポジウムの構成や作品のテーマを含め、よりきちんとぶつかり合える懐の深い展示を目指すべきである、という意見が出ました。
ファンドレイジング(資金調達)もより大きな規模で行なわれる必要がありました。アーティストに金銭的な負荷をかけすぎるのはよくありません。
2. 第3回展の運営について
基本的には韓国での開催なので、韓国グループに主導権を持ってもらいたいと考えています。ただし前回の韓国グループ同様、必要な情報や協力要請には日本側もきちんと対応をしていくようにします。
この議事録を韓国グループにきちんと認識してもらった上で、企画や運営のプランを作ってもらえればと思います。
3. 第3回展に求められること
前回の反省点は反省点として考慮されるべきですが、必ずしも全権委任型のキュレーターの立て方が正しいとも思えません。
第一に、作家選出からキュレーターに任せてしまうと、この展示自体がリセットされることになり、継続性がなくなります。この展示のそもそものカラーを失うことになります。
次にここまである程度出来上がりを見せたこの展示の運営や企画、ディレクションなどを一手に引き受けてくれるような都合のよいキュレーターがそう簡単に見つかるとは思えません。ともすれば面倒くさいことだけ丸投げ、という結果にもなりかねません。
ある程度アマチュア的に始まった展示企画なので、そこに無理にメスを入れるよりは、この雰囲気をうまく活かしつつ、展示としては高品質でプロ的なものをつくっていくことが建設的な考えであると思います。ただしやはり客観的な視点は必要であると思うので、今回は韓国側でディレクションを行なえる人物を見つけてもらえるとよいかと思います。
作家が作品に専念できるのはある種理想的ですが、ショーを作り上げる上である程度献身的な働きをしていくことで、ショー自体に愛着を持ってもらえると思いますし、この展示の性格はそうした協力関係をプロ的な見せ方につなげることで力を発揮すると思えます。
以上の内容を考慮してもらい、韓国側に企画の叩き台を出してもらうと話がスムーズかと思います。参加不参加を決定するのは現段階では難しいかと思いますので、とりあえず展示の方向性を皆さんには見守って欲しいと思います。